ナント・サンナゼール港、ÉOLEプロジェクトを通じて風力発電の普及を推進

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© Nicholas Doherty

気候変動の深刻化への対策として、風力発電がエネルギー転換の大きな柱の1つとなりつつあります。一方で、海洋エネルギー産業の発展により雇用の創出が進み、大きな経済効果が生まれていますが、ナント・サンナゼール港は同セクターの発展に合わせてインフラの改修に乗り出すことで、風力エネルギー普及の旗振り役を務めています。また、浮体式洋上風力発電の一大拠点となるために、2028年までの完全操業という目標を掲げています。

ナント・サンナゼール港で展開中の浮体式洋上風力発電施設プロジェクト「ÉOLE」の各種研究に対し、フランス政府は120万ユーロの補助金を投入。この補助金は政府の公募に応じたナント・サンナゼール港、ブレスト港、ロリアン港、ラ・テュルバル港に交付されたものです。

予算規模が総額250万ユーロとなる本プロジェクトは、今後の浮体式洋上風力発電事業につながる港湾インフラの整備を目的としています。ブルターニュおよびペイ・ド・ラ・ロワール両地域圏は、お互いの強みを活かし、それぞれの地域圏の経済効果を高めるために協力しています。

ナント・サンナゼール港は今後15~20年間で低炭素エネルギーの先進地となることを目指しており、そのための具体的な手段として、フランス初の洋上風力発電施設をサンナゼール沖に建設する事業に参加しました。この経験を踏まえてサンナゼール港が推進しているプロジェクトがÉOLEです。本プロジェクトはサンナゼール港の既存のインフラを改修することを目的としており、2億ユーロを超える投資が見込まれています。

プロジェクトの具体的な方針

ÉOLEプロジェクトはフランスのエネルギーの未来を切り開く重要な役割を担っています。本プロジェクトの具体的な内容としては、資材の積み出しに必要なスペースの増強、発電施設の戦略的な立地選定、耐荷重性の確保、桟橋の機能拡張などが挙げられます。

現在、ナント・サンナゼール港は700m以上に及ぶ岸壁の強化(耐荷重は1㎡あたり30トン以上)、および岸壁水深14mと橋梁等の桁下空間300m以上の確保に向けて準備を進めています。この工事が完了すれば、大規模な施設や設備の導入、1,000トン単位の貨物の取り扱い、そして次世代型SEP船の受け入れが可能になります。

数字でわかるÉOLEプロジェクト

700m以上に及ぶ岸壁強化

投資総額は2億ユーロに上る見込み

初期投資は120万ユーロの政府補助金

海洋エネルギーの先進地として

ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の海洋エネルギー産業は2,256人分の雇用を生み出しています。これはフランスの海洋エネルギー産業全体の30%に相当し、国内で最大規模となっています。また、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏で海洋エネルギー事業を営む企業は100社を超えており、2022年度の総売上高は8億6,000万ユーロを上回っています(対2021年比で21%の大幅増)。

ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏に大きな経済効果をもたらす事業としては、ヴァンデ県のノワールムーティエ風力発電所も挙げられます。これは投資額25億ユーロのプロジェクトで、建設工事は数か月前から始まっており、2025年の完成を予定しています。

フランス政府は「2050年までに洋上風力発電で40GWの供給能力を達成する」という大胆な目標を掲げていますが、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏を含むフランス北西大西洋沿岸地域は20~30GWの供給能力があると推定され、目標達成の立役者となることでしょう。この地域が低炭素エネルギーの一大拠点となることは間違いありません。